10/5 第六回 土佐漆喰金ゴテ仕上げを学ぶ
荒壁塗りです。内外とも柱があらわしの真壁仕上げです。土佐漆喰、塗り立ては黄みがかっていますが、ここから徐々に白くなっていきます。実際、七回目以降の見学会でそうなっていくのを見ました。
11/9 第七回 本襖の紙張りと木摺り漆喰塗りを学ぶ
襖(ふすま)の下張り(ベタ張り)の工程です。今回は四篇貼り。齋藤商店の齊藤さん親子です。
室内壁の漆喰塗り。尺トンボを打ち込んでいるのは、加藤左官の加藤さん。
琉球畳の説明です。大分県は国東(くにさき)半島で作られているカヤツリグサで作られている本物の琉球畳だそうです。こちらは加藤畳店の加藤さん。
足場が外れ、外観があらわになりました。深い出の軒が建物を守ります。むくりもあります。
戸袋と焼き杉板。戸袋は押し縁を外せば、鏡板が外れてメンテナンスできるそうです。
焼き杉板の外壁。
11/30 第八回 木製建具の納まりと琉球畳の制作を学ぶ
風邪をひいてしまい、残念ながら欠席です。
12/20 完成見学会
1日かけて完成見学会が行われました。見学会は全部で3回に分けて行われました。
1F居間です。両袖に引き込みの木製建具は障子、ガラス戸、網戸、雨戸から成ります。
2F小屋組。新防火地域のため、野地板、面戸とも必要な厚みを確保して防火性能を確保しています。
2Fの土壁。一概に土壁と言っても、材料の調合や塗り方で大きく変わります。ここは、パーライトが多め、藁苆(わらすさ)で黄みがかっていました。いい感じでした。
くるり。引戸の錠です。かわいいです。
「東京の土壁の家」連続見学会を通して、膨大な知識や経験を丁寧かつ謙虚にお話される高橋昌巳さんの姿勢には、おおいに刺激を受け、毎回背筋がぴんと伸びました。出来上がった建築はもちろんですが、まずは実践と繰り返し言われていたのも印象的でした。
なお、見学会はこれで終わりですが、今後も東京建築士会 環境委員会では気候風土WG(高橋さんが座長です)活動を続けていきますので、興味のある方はお声がけ下さい。
東京の土壁の家 見学会(東京建築士会主催)について、春の投稿からすっかり間が空いてしまいましたが、先週12/21の完成見学会をもって無事終了しました。私はスタッフとして運営側で参加しました。各回とも3時間弱みっちり、設計監理の高橋昌巳さん(シティ環境建築設計)、各職方さんによる見学会+講義で、非常に濃密なものでした。せっかくなので、自分なりに印象的だった写真をアップしておきます。細部が多めですがご容赦ください。まずは夏場までです。
6/29 第二回 建て方の見学
木造2F建て、延床面積およそ30坪の住宅。五寸勾配の屋根にはむくりがあります。
通し貫工法で柱に刺さった差し鴨居。雇いほぞで止められています。
6mの通し柱は七寸角で一間半ピッチでが配されています。
7/14 第三回 屋根造作と瓦葺きを学ぶ
実際に屋根上に乗って見学。夏の屋根上はさすがに汗が吹き出ました。
いぶし銀の桟瓦の棟納まり。ここで屋根通気を行います。
下地用のコロシート。スギやアカマツで出来ています。大上木材さんで手に入るそうです。
7/27 第四回 竹子舞下地荒壁付けを学ぶ
外壁部分の竹小舞下地。
加藤左官工業の加藤さん。縄で掻き締めていきます。
外部から表塗り。貫側から塗っています。
外壁の荒壁の下塗りされた状態。塗られた直後で土が水分を持っています。
材料は現場練りです。藁を発酵させて、割れにくく水に強い荒壁土とするそうです。
乾いた状態の荒壁。乾燥してひび割れが生じています。この上に塗り重ねていきます。
9/7 第五回 板金工事見学
下屋周りの納まり。先端の見付は15mm。軽快な納まりです。
土壁と庇との納まりについて、雨水の吸込みをいかに防ぐかなどレクチャー。
土壁、瓦屋根との取り合いです。異なる素材の納まりは難しい。
続きます。
4/20 晴れ
埼玉県の深谷市で行われた、現場で学ぶ「東京の土壁の家」見学会に参加しました。
主催は東京建築士会の環境委員会。全8回の連続講座です。私もスタッフとして参加しました。
JR籠原駅に13時に集合。会場となっている國分工務店さんに移動して14時スタートです。
講師は高橋昌巳さん(シティ環境建築設計)と大工棟梁の國分健二さん(國分工務店)。
4月とは思えない暑さの中、2時間半をかけて、材料の説明から始まり、墨付け、
手刻みの実演、最後は継手、仕口がよく分かる軸組模型による解説いただきました。
講師の方々はもちろん、来られた方々の真剣さもビシビシ伝わってくる、熱い見学会になりました。
部位別に使う樹種の説明です。高橋さんが触れているのは大黒柱で使う8寸角のツガ。
その隣には同じく8寸角のイチョウ。
アカマツの太鼓梁。
國分棟梁による解説。継ぎ手は金輪継ぎ。実際にくっつけて外してもらいました。
刻みのデモンストレーション。鑿(のみ)で刻んでいきます。
最後は継手、仕口がよく分かる軸組模型の組み立てながらの解説。
及ばずながら私が司会を務めましたが、受講者の1人としておおいに刺激を受けました。
伝統工法による気候風土適応型住宅は情緒的な部分だけでなく、理論、実験、経験に
よる理論面でここまで説得力があるのか、と正直驚きました。そんな中で最後に
高橋さんから「これは一般教養レベルです」とサラリと言われるのでたまりません。
全8回を通じて色々吸収すべく今からワクワクしています。
ちなみに、次回は上棟を見学する予定です。
ちなみに、見学会の主旨はこちらです↓
木・土・紙を使った伝統的な家づくりの工程を設計者とベテラン職人が解説します。
建築物のエネルギー消費性能に関する法律は、2020年の小規模建築物の義務化に向けて
進んでいます。このまま進むと、各地の気候風土と文化に合わせてつくられてきた
伝統的木造住宅を建て難くなることが危惧され、国土交通省より、2010年3月末に
「気候風土適応住宅のガイドライン」が示されたことにより、伝統的木造住宅の継承の道が
ひらかれました。
今回、国土交通省・サステイナブル建築物等先導事業(気候風土適応型)に、
東京で初めて採択された伝統的木造住宅の現場見学会を企画しました。
この住宅は、東京都練馬区内に建設し、土塗り壁漆喰塗り内外真壁仕上げ(一部)、
木造軸組み工法の他、屋根・壁・建具・畳等について、自然素材を用いた
職人の手による伝統的な構法で家全体が構成されています。
一つの現場を最初から最後まで一年通して、素材と工法を説明します。
きっと、自然素材の家つくりに触れる絶好の機会となるはずです。
気候風土に適応した日本の家づくりについて、共に考えていく場にしたいと思います。