現場で学ぶ 東京の土壁の家 見学会①

2018.4.20

4/20 晴れ

埼玉県の深谷市で行われた、現場で学ぶ「東京の土壁の家」見学会に参加しました。
主催は東京建築士会の環境委員会。全8回の連続講座です。私もスタッフとして参加しました。
JR籠原駅に13時に集合。会場となっている國分工務店さんに移動して14時スタートです。

講師は高橋昌巳さん(シティ環境建築設計)と大工棟梁の國分健二さん(國分工務店)。
4月とは思えない暑さの中、2時間半をかけて、材料の説明から始まり、墨付け、
手刻みの実演、最後は継手、仕口がよく分かる軸組模型による解説いただきました。
講師の方々はもちろん、来られた方々の真剣さもビシビシ伝わってくる、熱い見学会になりました。


部位別に使う樹種の説明です。高橋さんが触れているのは大黒柱で使う8寸角のツガ。
その隣には同じく8寸角のイチョウ。


アカマツの太鼓梁。


國分棟梁による解説。継ぎ手は金輪継ぎ。実際にくっつけて外してもらいました。


刻みのデモンストレーション。鑿(のみ)で刻んでいきます。


最後は継手、仕口がよく分かる軸組模型の組み立てながらの解説。

及ばずながら私が司会を務めましたが、受講者の1人としておおいに刺激を受けました。
伝統工法による気候風土適応型住宅は情緒的な部分だけでなく、理論、実験、経験に
よる理論面でここまで説得力があるのか、と正直驚きました。そんな中で最後に
高橋さんから「これは一般教養レベルです」とサラリと言われるのでたまりません。
全8回を通じて色々吸収すべく今からワクワクしています。
ちなみに、次回は上棟を見学する予定です。

ちなみに、見学会の主旨はこちらです↓

木・土・紙を使った伝統的な家づくりの工程を設計者とベテラン職人が解説します。
建築物のエネルギー消費性能に関する法律は、2020年の小規模建築物の義務化に向けて
進んでいます。このまま進むと、各地の気候風土と文化に合わせてつくられてきた
伝統的木造住宅を建て難くなることが危惧され、国土交通省より、2010年3月末に
「気候風土適応住宅のガイドライン」が示されたことにより、伝統的木造住宅の継承の道が
ひらかれました。

今回、国土交通省・サステイナブル建築物等先導事業(気候風土適応型)に、
東京で初めて採択された伝統的木造住宅の現場見学会を企画しました。
この住宅は、東京都練馬区内に建設し、土塗り壁漆喰塗り内外真壁仕上げ(一部)、
木造軸組み工法の他、屋根・壁・建具・畳等について、自然素材を用いた
職人の手による伝統的な構法で家全体が構成されています。
一つの現場を最初から最後まで一年通して、素材と工法を説明します。

きっと、自然素材の家つくりに触れる絶好の機会となるはずです。
気候風土に適応した日本の家づくりについて、共に考えていく場にしたいと思います。

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