私の住み心地|知事公館前の家(北海道 マンション改修)
仕事の関係で広い空間が必要だったので中古マンションを購入しリフォームを依頼しました。
要望はとにかく居間を広くすることと、眺めのよい西向きの窓を生かすためにキッチンの壁を取り除くことの2点でした。現地を初めて見ていただいた時、即座に台所を含めた水回りの配置の変更の提案がありました。その大胆さに驚きましたが、実際に生活してみるとその使い勝手の良さに大変満足しています。特にサニタリーの位置が寝室とキッチンの動線上にあり、収納も多いので、家事が効率的になりました。
仕事を持つ女性にとって朝は洗面、朝食準備、お弁当作り、化粧、更衣など、非常に慌ただしい時間です。それらが短い動線でスムーズに行うことができます。また洗濯をしてから外干しし、取り込んだ後、洗面周りのカウンターでアイロンがけや仕分けを行い収納、という一連の作業も全て短い動線で行うことができ、スムーズです。転居してからキッチンに立つことやお洗濯をすることが以前より好きになり、片づけ上手になりました。どの部屋も2面から光が入るので明るく開放的で風通しもよく、マンションとは思えない住み心地です。
先月発売された『TILE DESIGN BOOK(タイル装飾で建築をアートに変える) 』(加藤純著 幻冬舎)に
知事公館前の家が掲載されています。タイトル通りタイルに特化したややマニアックな本で、
カーネギーホールやサヴォワ邸のタイルが紹介されています。その後ろの方の水回りの特集で
知事公館前の家の浴室部分が小さく載っています。本屋で見かけたら覗いてみてください。
写真中央の浴室の写真。
ちなみに、一般的にマンション改修ではユニットバスにすることが多いと思いますが、
知事公館前の家はハーフユニットバスを採用しています。短い回遊動線のために
浴室や収納を部屋の中心に据え、梁を避ける必要があったためです。下の写真で
天井の少し下がったところが梁です。また、ハーフユニットにすることで通路を兼ねた
窓のある洗面脱衣室へ開くことができ、明るい浴室もなっています。
そのお施主さんに本を送ったところ、先日お礼のお手紙をいただきました。
嬉しかったので一部抜粋。
「タイルを使った我が家の浴室とトイレはお気に入りの空間で、
ニュアンスのある質感と色合い、そして暖かさは満足度200%です!!」
およそ2年前に竣工した知事公館前の家を訪れました。
昨冬にお施主さんから連絡のあった寝室天井のクロスの皺が
気になって訪問しましたが、夏になってすっかり消えた様子。
おそらく温湿度との関係だと思いますが、引き続き、
1年を通して経過観察をすることになりました。
ちょうど夏場の暑い日の訪問だったため、窓が開けられ、
南北に心地よい風が抜けていました。網戸のあるところはもちろん
そうでないところ(勝手口 写真中央奥)も常に開けたままで
生活されているとのこと。高層階で虫が入ってこないようです。
ホームページの知事公館前の家のプロジェクトページに
お施主さんにいただいた感想文を掲載しました。よければご覧下さい。
知事公館前の家がジェルコリフォームデザインコンテスト2015で、
応募総数480件の中から「全国マンション部門 最優秀賞」を受賞しました。
ジェルコ(日本住宅リフォーム産業協会)が主催したこのコンテストは、
「過去1年以内に」「自社で設計・施工・工事管理した」住宅が応募条件で、
施工まで行わない、いわゆる設計事務所は応募出来ないものでした。
後藤組設計室も設計監理を主な業務としていて、通常は施工まで行なっていません。
ただし、敷地が札幌や小樽、石狩郡などの当別町の近郊で、
施工まで合わせて計画した方が合理的な場合については、
施主と相談の上、後藤組での施行まで含めて計画しています。
昨年の秋に竣工した知事公館前の家もその1つでした。
本文とは関係ないですが、
写真は二子新地の家の庭のサザンカです。
今年は例年より花が多い気がします。
9/13 曇り
真駒内の六花亭ホールの喫茶室へ。
10時からのオープンに合わせて入り、
写真家の國枝さんとこの前の写真選定を行う。
2時間弱ほどで30枚程度を選ぶ。
引続きの現像作業をお願いし解散。
真駒内駅に戻って、12時に東京から来たM夫妻と
知事公館前の家のお施主さんと合流。
お施主さんの運転する車で石山緑地へ移動。
土曜日だったが、公園内を歩いている人はまばら。
石山緑地は札幌軟石の昔の石切場を彫刻作品などを使って、
アートスペースにした場所らしい。プラスαで魅力をつくるより、
石切場の迫力や石自体の素材のよさが伝わると、
もっと魅力的な場所になるように思った。
続いて、芸術の森へ。スイスデザイン展を見学する。
スイスデザインのオムニバス的な展示。
園内にある有島武郎の家(移築)が興味深かった。
外観は雰囲気のある洋館だが、中に入ると一転、
和洋折衷で不思議なことになっている。
床はタタミで部屋の面積は狭いのに、天井が高く、
建具はドア、それに上げ下げ窓が付いている。
下の写真は伝音管というもので、このツマミを外して、
筒に向かって声を出すと、反対側の筒が出ている部屋で聴こえる糸電話のようなしくみ。
しくみも面白かったが、物そのものが経年で真鍮の味が出てよい感じだった。
続いて、道立近代美術館へ移動。
木工作家の高橋三太郎氏の展覧会。
こちらは見るだけでなく、展示作品にも座ることができる。
ほか、氏が影響を受けた椅子の系譜なども展示されていて、
丁寧な印象を受ける展覧会で、よかった。
17時過ぎに知事公館前の家へ移動。
完成してちょうど1年経ったが、お施主さんを自分に紹介してくれたM夫妻に、
最終的な完成報告を兼ねて、見てもらう。概ね満足いただいたようで一安心。
夕飯は18時から近所で美味しい塩ジンギスカンとビールで乾杯。
もう1軒ハシゴして、22時ころ解散。