姉ヶ崎の家

千葉県市原市の住宅街に立つ3人家族のための平屋です。プライバシーは確保しながらも、近隣に対してほどよい距離感を保てるコートハウスを計画しました。東西に長い敷地を生かした中庭、西庭、東庭の3つの庭から成っており、軒先で切り取られた中庭の空だけが見える居間を中心に、西側の落ち着いた雰囲気の街区へはオープンにする一方で、通過交通の多い東側へは水回りや収納を配してクローズにしました。中庭まわりの回遊性、浴室-洗面所-家事室-WIC-寝室へ動線、収納を充実させたプランニングとシンプルな大屋根が特徴的です。

大屋根は等間隔で並んだ登り梁、それを受ける桁(居間は重ね透かし梁)及びそれを支える四隅の五寸角柱によって支えられています。架構は全てスギの製材。中庭を通して室内へ導かれる光を軒先で制御し、この地域特有の東西の強い風を取込めるように配慮しました。一般的に中庭型にして開口部を増やすことは外皮性能を下げる要因と言われますが、実際は外皮計算の結果以上に快適に暮らせるのでは、と考えています。

所在地 千葉県市原市
用途 専用住宅
工種 新築
構造 木造平屋建 在来工法 ベタ基礎
敷地面積 346㎡(105坪)
建築面積 115㎡(35坪)
延床面積 113㎡(34坪)
工事費 3000万円台後半
設計監理 後藤智揮(後藤組設計室)
構造設計 村田龍馬 小坂大和(村田龍馬設計所)
施  工 吉田雄治(現場監督) 濱田隆彦(棟梁) (かしの木建設株式会社)
設計期間 2015年5月-2017年11月
施工期間 2017年12月-2018年6月
ごも日記 「姉ヶ崎の家」編
仕様概要 断熱性能等級4(Ua値 0.86)、耐震等級3
屋根:ガルバリウム鋼板+通気層+スタイロフォーム3種B計100mm(屋根断熱)
外壁:杉赤身材縦貼+通気層+高性能グラスウール105mm(充填断熱)
内壁:珪藻土(一部AEP)仕上げ
床 :ヒノキ無垢材
基礎:スタイロフォーム3種Bt=50mm(基礎断熱)
冷房:エアコン 暖房:ガスFF式ファンヒーター
受賞 住まいの環境デザイン・アワード2020
一般財団法人ベターリビング ブルー&グリーン賞
(授賞式の様子はこちらに掲載されてます。)
メディア 渡辺篤史の建もの探訪(テレビ朝日 2020/02/15放送)
  • 建物西面。緑に囲われたシンプルな佇まいの平屋。

  • 穏やかに変化していく杉の外壁材。玄関前には荷物を置けるベンチを設えた。

  • 中庭に面した居間。隣家の視線を気にせずに、季節感を楽しめる。

  • 軒で切り取られた空。外壁は杉板押縁貼りとした。

  • 居間は引戸を介して、読書コーナー(左)と西の間(右)と繋がっている。

  • 重ね透かし梁によって6mの大スパンを支えている。

  • 台所からの眺め。左の飾り棚の上下に冷暖房設備を計画した。

  • 読書コーナーに連続する居間。左の扉は洗面脱衣室に繋がる。

  • 読書コーナーからの眺め。中庭越しに西庭へと視線が抜ける。

  • 食堂からも西庭へと視線が抜ける。

  • 中庭、イロハモミジ越しに見える居間。

  • 回廊に面したライブラリ空間。

  • 客間とパントリー。床はヒノキ、壁は珪藻土、架構は杉材。

  • 左:玄関。庭が見える。 右:キッチン脇のパントリー。

  • コンパクトな裏動線。寝室-クローゼット-家事室-洗面室-浴室が繋がる。

  • 等ピッチで、リズミカルにかかる登り梁。

  • 五寸角の柱と桁梁や登り梁の納まり。

  • 軒下。現しの垂木は外壁の胴縁ピッチに合わせて計画した。

  • 1/50の模型写真とスケッチ

  • 1/50の模型写真

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