
鶴瀬の家
築20 年のマンション一室のフルリノベーションです。子育てがひと段落した建て主夫妻とこれからの住まい方を考えました。 最上階の角部屋にあるこの住宅は、日当たりが良すぎて夏暑く、ドアストッパーが壊れるほどの風が吹くという温熱環境面と、収納量、景色の見えないキッチン、くつろげる場所が少ないリビングなど、計画面に課題がありました。
リノベーションでは、躯体をスケルトン状態としてから、中央に収納/トイレを配した回遊プランを提案。動線、収納を整理しました。特徴的なL型サッシや台形の掃き出し窓を利用した居間、オープンキッチン、逆梁を利用した小上がりをしつらえました。温熱環境は断熱(躯体はウレタン吹き付け、窓は障子やハニカムスクリーン、内窓を設置)と、天井/壁の砂しっくいの調湿、無垢床(杉/檜)の肌触りによって整えました。竣工時には柔らかい光が室内に満ち、穏やかな風が抜けるのを肌で感じました。
今年の夏も猛暑日が続いていますが、建て主さんからは快適に暮らされていると伺っています。
所在地 | 埼玉県富士見市 |
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用途 | 専用住宅 |
工種 | 改修 |
住戸面積 | 96㎡(29坪) |
改修面積 | 96㎡(29坪) |
設計監理 | 後藤 智揮(後藤組設計室) |
施 工 | 渡邊洋介(現場監督) (友伸建設株式会社)
山口伸一(棟梁) 山口由香(左官) |
設計期間 | 2022年7月〜2023年1月 |
施工期間 | 2023年3月〜2023年6月 |
ごも日記 | 「鶴瀬の家」編 |
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小上がりと居間。窓周りはハニカムスクリーンと障子で温熱補強した。
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居間とオープンキッチン。造作枠と障子で空間に一体感を創った。床は檜。
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小上がり越しに空を望めるキッチン。天井/壁には砂しっくいのコテ跡が見える。
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玄関に入ると現れる杉羽目板の壁。居間へのアプローチはライブラリを通る。
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逆梁を利用した小上がり。個室としても使え、畳下は高さ約40cmの収納とした。
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(左)タイル貼の洗面脱衣室 (右)三色の半田仕上げとした北の間の飾り棚
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北の間。結露対策で内窓を設けた。床は杉。
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(左)玄関のベンチ (中)家事動線上のパントリー (右)ライブラリ横のデスクコーナー
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改修前_(左)リビングダイニング (右)奥まって窓がなかった台所
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工事風景_(左)解体後 (右)ウレタン断熱吹き付け後、下地工事完了時