府中の家

 東京都府中市の小さな平屋の計画です。はじめて会ったときに「庭と暮らしたい」と言われた建て主さん。傘寿を間近に控え、これまで大切にしてきた樹々を眺め、手入れしながら豊かに暮らしたい、という強い想いがあったようです。

 家づくりはその庭を考えることから始めました。育ててきた柚子や夏みかんの樹を計画の中心に据え、山野草と雑木による作庭。住宅は一室空間と水回りから成る鉤型プランで、南東の庭に向けてオープンにし、隣に暮らす子世帯との往来もしやすくしました。主に西川材(埼玉県飯能市)の杉からなる架構、床の桐板、壁の砂しっくいなどの素材で構成しています。

 あえて高齢者に特化した仕様とせずに、普遍的な心地よさを追求することで、時間とともに住まい方が変わったとしても、住み続け、住み継げる家になればという想いを込めて設計しました。

所 在 地 東京都府中市
用  途 住宅
工  種 新築
構  造 木造平屋建 在来工法 地盤改良+ベタ基礎
敷地面積 181㎡(55坪)
建築面積 54㎡(16坪)
延床面積 52㎡(15坪)
工事費 2000万円台中盤
設計監理 後藤智揮(後藤組設計室)
構造設計 荒木美香(荒木美香構造設計事務所)
施  工 五味敬之(現場監督) 吉川総(棟梁) (友伸建設株式会社)
作  庭 楠 耕慈(風(ふわり))
設計期間 2021年11月-2022年6月
施工期間 2022年7月-2023年1月
ごも日記 「府中の家」編
仕様概要 Ua値 0.54
耐震等級3相当
屋根:ガルバリウム鋼板+通気層+スタイロフォーム3種B100mm(屋根断熱)
外壁:杉板+通気層+高性能グラスウール105mm(充填断熱)
内壁:砂しっくい塗(一部 アウロ 自然塗料)
床 :桐板、基礎:スタイロフォーム3種Bt=50mm(基礎断熱)
暖房:温水式床暖房
ページトップへ