二子新地の家

木造アパートの1階の改修です。元々オーナーの親戚が住んでいた小さな庭のある部屋で、しばらく空き家になっていました。改修可物件として募集されていて、設計者が入居者として入り自身で改修設計を行いました。

築30年ということで構造躯体をほぼスケルトンにして建築金物による耐震補強、部分的に断熱補強を実施。回遊出来る間取りを生かし、各部屋はそれぞれ細かく分割できるものの、主要な居室から庭を眺められるようにもしています。茶の間の雪見障子や広間のオーガンジーのカーテンは外からの光や視線をコントロールするために設えたものです。今では珍しい玄関の羽目板貼やピンクのタイル貼りの浴室はそのまま生かすことで、新旧の空間が調和するように配慮しました。

住み始めてからは、追加で収納(脱衣室や茶の間の本棚)をつくったり、寝室にも珪藻土を塗ったりと手を入れながら暮らしています。家族構成の変化も受け入れられる、おおらかな場になったと感じています。

所在地 神奈川県川崎市
用途 専用住宅
工種 改修
住戸面積 71㎡(21坪)
改修面積 43㎡(13坪)
工事費 1000万円台前半
オーナー 木村 憲司(有限会社 木村屋)
設計監理 後藤 智揮・神戸 美音
構造監修 堀内 綾乃
施  工 高野 公久(クイックベンリー)
カーテン 安東 陽子・山口 かすみ
設計期間 2011年10月-2012年2月
施工期間 2011年12月(解体) 2012年3月-5月(本工事)
写真撮影 國枝琢磨
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